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昭和

先週の糠平湖 キノコ氷ひとりツアーの帰りに東川町に寄り「森山大道写真展」をみてきた。

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モノクロ写真でつづられた昭和30年代40年代の写真には
私が幼い頃 心に留めていた人間模様が広がっていた。

列車に揺られながら寝込んでいる男女 手には少女フレンドの雑誌。

通路に新聞紙が敷かれてそこに座って列車に揺られることもあった。
港町で乗り込んできた担ぎ屋のおばさん達 重い袋包みをヨイショと置いて
デッキで談笑しながらそれぞれの朝市へと消えてゆく。

炭坑町では、綺麗に化粧したミニスカートにハイヒールのお姉さん方が街へとでかける。
石炭くずの山の前には流行のクーペ。
長屋の風情とのギャップがあの時代を物語っていた。

函館では、ドンドンさんといって、各家を小太鼓を持った白装束のおばさん達が回って
お経を唱えた。小銭を渡すまでずっと鳴らし続けていた。
鍵っ子だった私は、その人たちが怖くて帰るまでずっとソファーの下に潜っていた。

大きなリヤカーを引いて廃品を回収していた便利屋のおじいさん。
老犬を相棒に黙々と歩く姿に出くわすと、わたしはじっと見つめていたものだった。

そんな あの時代の北海道 わたしは嫌いだった。
生きることにガサガサしていて、もっとスマートに生きていけないんだろうかと。。
子供心に そう思っていたのを思い出しながら 作品に見入っていた。

でも、逆に今になってそんながさつで骨太な北海道が好きだったことを思い知る。

戦後 オリンピックや万博など東京を中心に快適で先進的な生活を手にしていた。
北海道の人は、荒れる冬の海で魚を捕り、寒気を気にしながら農地で土にまみれ、
朝早くから牧場の牛や馬に餌をやる。すすだらけになって危険と背中合わせの炭坑夫達・・
彼らはどんな気持ちで東京を見ていたのだろうか・・・

大道氏の眼に映った「北海道」を一枚一枚 脳に焼き付けながら
わたしは あの頃見た北海道と照らし合わせていた。

水平線など気にも留めない右上がりのアングルには、「安定」を拒む迫力、
向こうの世界からこちらへと迫り来るような緊迫感を感じた。

そして、曇り空から射す光芒に 人々の希望や生きる強さを感じた。
by landscape-stories | 2010-03-14 22:50 | 写真

北海道 特に富良野・美瑛での撮影日記や日々の出来事など


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